35条書面と37条書面の違い|比較表とひっかけ問題
重要事項説明書と契約成立後の書面を、時期・相手・宅建士の役割で比較。業者間取引の例外と電子交付を、独自の○×問題で確認します。
- 執筆
- 宅建試験.org編集部
- 初稿作成日
- 更新日
- 出典確認日
- 対象範囲
- 2026年度学習用(法令基準日:2026年4月1日)。2026年10月13日現在の施行法令も照合しています。2027年度への対応確認は未実施です。
- 監修
- 外部専門家による監修・レビューは実施していません。
結論
35条は契約を判断する前の説明、37条は成立した契約の内容を記録する書面です。「どちらも宅建士が関与する」ことと「どちらも説明が必要」なことは同じではありません。
比較表
| 比較軸 | 35条書面 | 37条書面 |
|---|---|---|
| タイミング | 契約成立までの間に交付・説明 | 契約成立後に交付(売買・交換は遅滞なく) |
| 目的 | 取得・賃借の判断材料 | 成立した契約内容の明確化 |
| 宅建士の役割 | 記名と説明。説明時には宅建士証提示 | 記名。37条自体には宅建士による説明義務なし |
| 媒介の通常例 | 取得する買主・借主への説明 | 契約の各当事者(売主・買主/貸主・借主)に交付 |
| 受け手が宅建業者 | 説明省略可。ただし書面交付・宅建士の記名は必要 | 業者間でも交付・宅建士の記名は必要 |
| 電子交付 | 承諾など法定要件を満たせば可能 | 承諾など法定要件を満たせば可能 |
表は横にスクロールできます。
「説明」と「記名」を別々に確認する
通常の35条では宅建士が記名した書面を交付して説明し、その際に宅建士証を提示します。37条は書面への宅建士の記名が必要ですが、同条は説明義務を定めていません。現行35条・37条は宅建士の押印を要求していません。
媒介による売買を考えると、35条は物件を取得する買主の判断のため、37条は成立した売買の各当事者への交付のためです。売主にも35条説明が常に必要、と相手を広げないようにします。
間違いやすい理由:例外を「何もしなくてよい」に広げる
買主が宅建業者なら35条の説明は省略できます。しかし、書面の交付まで不要になるわけではありません。35条6項・7項で、説明の省略と宅建士の記名を分けて確認できます。
電子交付も「メールを送れば十分」ではありません。受け手の承諾と法定の方法・措置が必要です。また、売買の37条にある代金額と、貸借の37条にある借賃額を混同しないことが大切です。
独自の○×問題
編集部が作成した演習問題です。公式の過去問ではありません。
問1.宅建業者が買主である売買では、35条の説明を省略できても書面の交付は必要である。
正解:○(正しい)
理由:35条6項は説明を省略する読み替えであり、交付義務は残ります。7項による宅建士の記名も必要です。 出典:[1]
問2.37条書面は、宅建士が記名したうえで、その宅建士が必ず内容を説明しなければならない。
正解:×(誤り)
理由:37条3項は記名を求めますが、37条自体は宅建士による説明義務を定めていません。 出典:[2]
問3.通常の売買を媒介した場合、37条書面は買主だけに交付すれば足りる。
正解:×(誤り)
理由:37条1項では媒介により契約が成立したとき、契約の各当事者に交付します。売主にも交付が必要です。 出典:[2]
問4.35条・37条書面は、受け手の承諾など法定要件を満たせば電子交付が可能である。
正解:○(正しい)
理由:35条8項・9項、37条4項・5項に電磁的方法による提供が定められています。無条件ではありません。 出典:[1]、[2]
出典・確認資料
法令リンクには、2026年4月1日時点(試験の法令基準日)と、確認日現在の施行法令を掲載しています。確認日:2026年10月13日。
- [1] 宅建業法35条1項・4〜9項
確認範囲:比較表の35条側、説明時期・宅建士証・記名・業者間の例外・電子交付、問題1・4。
- [2] 宅建業法37条1〜5項
確認範囲:比較表の37条側、交付先・記載事項・記名・電子交付、問題2〜4。
- [3] RETIO 2026年度試験案内・第3(内容及び方法)
確認範囲:2026年度試験の出題根拠は2026年4月1日現在施行の法令。記事の○×問題は編集部の独自演習であり、公式問題ではありません。
試験の基準:RETIO(不動産適正取引推進機構)宅建試験案内